(この記事は2022年12月13日に書きました。)
「ジンギスカンってどうして北海道で食べられているの?」
「最初はどうやって羊のお肉を食べていたんだろう」
「どうしてそんなに大量の羊がいたのかな」
この記事はそんな方に向けて書いています。
こんにちは、北海道へ移住してからジンギスカン大好き、羊さん大好きのどんぐりです。
一緒に食べる野菜もシメのうどんもおいしーね!
今回はジンギスカンの発祥の謎、そして北海道でジンギスカンが広まって郷土料理になった理由をお話していきます。
▼この記事の内容
- ジンギスカンの発祥は山形県の蔵王?
- 北海道でジンギスカンが広がった理由
- 北海道民の郷土料理へ
結論からお伝えすると、もともと軍服や毛布の製造に羊が毛が必要だったため、北海道ではめん羊の飼育がさかんでした。
その羊を「なんとかして美味しく食べられないだろうか」と考え、工夫を重ねた結果、今のジンギスカンに行き着きました。
昔はくさみが強くて、食べられたものではなかったみたい…
内容を読めば北海道におけるジンギスカンの歴史がわかり、さらに美味しく(?)食べられるようになりますよ!
▼この記事を書いた人
名前:どんぐり♂
関東から北海道へ移住して5年
道内のおいしい物巡りが大好き
先人たちのジンギスカンを作り上げた想いが身にしみます。
こんなに美味しいものを作ってくれて、ありがとうです…^^
ジンギスカンの発祥は山形県の蔵王?
諸説ありますが、山形県の蔵王がジンギスカンの発祥の地という説もあります。
昭和の初期、北海道と同様にめん羊の飼育がさかんだった山形県。
山形にも羊さんがおった!
当時の日本めん羊協会の会長がモンゴルに行き、飼育方法など研修をする中で、中央が盛り上がった鉄板で羊肉を焼く料理を目にしました。
帰国後に山形の鋳造工場に「中央が大きく盛り上がったプレート」の作成を依頼し、ジンギスカン鍋が完成します。
国体で人気のメニューに。一躍全国区へ!
昭和34年、山形県で行われた国民体育大会では献立のメニューにジンギスカンが並び
「これは美味しい!」
と多くの選手が鍋とお肉を買って帰り、全国に広がったと言われています。
ジンギスカンと言うと北海道のイメージが強いですが、同じ時代に山形でも食べられていたんですね。
山形でも羊さんが飼われていたんだね〜
北海道でジンギスカンが広がった理由
北海道でどのようにして羊が食べられるようになり、どうやって道民のソウルフードになっていったのかを見ていきます。
- 札幌月寒と滝川市にめん羊がたくさんいた
- 滝川市で味付けのジンギスカンが誕生
- 昭和31年、松尾ジンギスカンが創業
札幌月寒と滝川市にめん羊がたくさんいた
服や毛布を作るために、大量のめん羊が必要に
大正時代に軍隊の服や毛布を作るためにめん羊の国内生産がさかんになり、滝川市や札幌の月寒地区に羊場を開設。
羊場は全国5か所でしたが、そのうち2か所は北海道内と昔から羊が身近なだったんですね。
今の札幌ドームがある、月寒に羊さんがいたんだ〜
羊の毛は刈り取られて、予定通り軍服や毛布が生産されていきます。
同時に「余った羊たちをなんとか美味しく食べられないものか…」
と美味しく食べるための研究が始まったのもこの頃と言われています。
しかし「羊の肉はくさくて食えない」という考えが強く、あまり羊の肉は食べられていなかった時代でした。
食べた羊が全てマトンだったこともくさみの原因だよ
毛を刈った後だから、みんなくさみの強いマトン(大人)になってしまうのね^^;
滝川市で味付けのジンギスカンが誕生
北海道の滝川市では昭和の初期ごろからジンギスカンや羊肉のおでんが売られていました。
滝川でも「羊肉はにおいが…」という考えが強い時代でもありました。
マトンはそのにおいとお肉の硬さから敬遠されたんだ
そこで「タレに漬け込んで、味をつけて焼いてみたらどうか?」とのことで羊のお肉をタレに漬け込んでから焼いてみると…美味しい!
こうして滝川市では、タレに漬け込んでから羊のお肉を焼くスタイルが定着していきます。
昭和31年、松尾ジンギスカンが創業
元々札幌では焼いた羊肉をタレにつけて食べており、滝川市ではタレに漬け込んでから焼くスタイルが主流でした。
そんなタレに漬け込んだ羊肉の美味しさに感動した創業者の松尾氏。
羊肉の専門店を出店したものの、最初は相手にされず「羊の肉なんて」と言われたことも。
まだ羊を食べるのに抵抗があった時代…^^;
しかし「この美味しさを知ってもらいたい」と公園などで多くの人にふるまったことで、少しずつ人々の考えに変化をもたらします。
「この羊の肉はくさみがないぞ」
「こんなに美味しい食べ方があったのか!」
と感動を与えたといいます。
いろんな人たちに実際に食べてもらったんだね
そして昭和31年に松尾ジンギスカンが滝川市で創業してからは、滝川市中心に漬け込むジンギスカンが人気になっていきます。
そうしてタレに漬け込む、滝川式の松尾ジンギスカンが北海道へ広がっていきました。
ピーク時は250店舗にもなったのだ
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北海道民の郷土料理へ
ラムもマトンもくさみがなく美味しく食べられる。
専用のナベはこげにくく、煙も出ないので簡単に食べられる。
そんなジンギスカンは先人たちの手で改良に改良が重ねられます。
専用ナベはお肉がこげにくく、煙も出にくいよう工夫がされています。
ラムもマトンもくさみがなく、だれでも美味しく食べられるようになりました。
子どもも大人も大好き!
道民はどこでもジンギスカンパーティやるのが大好き!
花見や外でみんなでワイワイジンギスカン。
そのうち運動会など行事でも食べられるようになります。
お肉を焼いて野菜を切るだけの簡単さも人気のヒミツなんだ
同じナベを気の知れた仲間とつっつきあうのはとても楽しいものです。
そして今では日本の郷土料理100選に選ばれるまでになり、北海道の郷土料理として定着したのです。
まとめ→北海道のジンギスカンの発祥の地は札幌・滝川にルーツがある
羊の牧場があった札幌の月寒地区・滝川市がジンギスカンの発祥の地
軍服や毛布を作るため羊の毛の需要があったことから、羊の牧場が札幌月寒と滝川市にできました。
「毛を刈り取った羊を美味しく食べたい」
その思いは共通で、食べ方が少しだけ異なりました。
札幌→焼いてからタレにつけて食べる方法
滝川→事前にタレに漬け込んでから焼く方法
どっちも大変美味しいのです!
先人たちの苦労によって「羊肉はくさい…」と言われていたのが、今では「羊肉は美味しくてヘルシー」と言われるまでになりました。
ジンギスカン専用鍋も改良を重ね、こげにくく、煙が出にくいように進化しました。
そんな歴史に思いをはせながら羊さんを食べるもの、また深みが出て面白いですよ。
美味しく食べられる今に感謝です^^/
▼参考記事はこちらです
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