田舎に住んだら広い畑を借りて野菜を作りたいなと考えている人は多いと思います。しかし現実には付き合いがないと、貸してくれる人に出会えないことが多いのです。
でも実は、畑をしかも広大な畑を借りられる方法があります!田舎では離農している方や空き地が増えているのが現状なのです。
今回は北海道に移住して4年。以前に原野を借りた私が、今回20000坪の畑借りることが出来ました。その経験を元にお話をしていきます。
書かれていることは以下の通りです。
- どうやって20000坪も借りたのか
- そこで何を作ったか
- 現地の人との人脈の作り方
この記事を読むと畑の借り方から、田舎での声のかけ方、人脈の作り方がわかります。
結論として自分から積極的にどんどん働きかけることで借りられる可能性が高まっていきます。実際にどうやって借りるに至ったのか見ていきましょう!
どうやって畑を借りたか
たまたま知り合いだった離農した農家さんから貸していただけました。
以前に借りていた原野の「エデン」が売却されるため、春から使用できなくなってしまったのです。
これは非常に悲しかった…
知り合いも少なかったので、とりあえず市役所に行って聞いてみよう!そう思って市役所まで行ったのが始まりです
市役所に行ってみた
とりあえず市民課に行ってみたものの、なかなか担当部署にたどり着けませんでした。
私「畑や山を借りたいんですけど…」
市役所の人「市の所有している山の購入をご希望ですか?」
私「いや、買うとかではないんです」
こんなやりとりがあってなかなか話が進みません。
山や原野でいいから借りたいと話をすると、ようやく話も伝わったらしく
市役所の人「すぐそこの森林組合の事務所に行くといいですよ。連絡しておきますね」
親切にそう教えてもらい、今度は市役所を出て徒歩5分の森林組合に行くことになりました。
意外と役場も市役所もこういった相談に親身にのってくれる!
畑探しに限らず住む家を探す時など、困った時は相談しに行こう。
森林組合に行ってみた
事務所に入ると恰幅の良いおじさんが出てきました。話は聞いているらしく、
おじさん「若いのに畑やろうなんて素晴らしいじゃないか!で、どれだけ借りたいんだ?」
私「100坪もあれば十分なんです」
おじさん「なんだ、それっぽちか!それなら離農した農家さんで○○さんどうだ?知ってるか?」
私「いやぁ、知らない方です」
田舎あるあるですが、みんな知っている前提で話をしてくるのです。すると何人か農家さんの話をするうちに知っている名前が出てきて…
おじさん「なら、Aさんはどうだ?近所だろ?」
私「Aさんって□□町のAさんですか?」
おじさん「そりゃそうさ、Aさんって1人しかおらんべ!」
私「え!?その人、私が病院で担当している患者さんです」
意外と近くにおった!
知っている方とマッチング
そんなやりとりがあって、身近に使わない畑を持っている方がいました。灯台もと暗しとはこのことです。
持ち主の方はとても穏やかな80代のおばあさんです。いつもにこにこ、たまに冗談を言いながら一緒にリハビリをしている方でした。
私はリハビリの仕事をしています★
その方に空いている畑を探していることをお話すると
Aさん「どうぞどうぞ、いくらでも使って。野菜のことなら何でも聞いてくれると嬉しいわ」なんてあっさりおっけーでした。
旦那さんも同じくうちの病院に入院していたので話をしにいきました。
旦那さん「なんならトラクターでもハウスでも何でもあるもの使っていいからな」
私「ええ!?ハウスあるんですか??」
旦那さん「もちろんあるべさ、農家だもの!隣のやつに連絡しとくから、ハウスのかけ方教わってな」
そんなやりとりがあり、若干強引に初めてのハウス栽培に挑戦することになりました。
初めてのハウスに挑戦
空き家となっているAさんの家を教えてもらい、行ってみます。
大事なことは近所の人に怪しまれないように、近所の方みんなに挨拶して事情を説明すること。
特にその地域の「ご意見番」みたいな方と仲良くなると強いです。いい噂があっという間に広がっています。
田舎ではびっくりするくらい周りが見てますからね。
隣の方(と言っても200mくらい離れてる)に挨拶した時に
お隣さん「話は聞いてるよ!ハウスやるんだって?今度ビニールかけるからなぁ」
そんな話をした数日後、既にハウスが出来上がっていて
こんな感じに立派に仕上がっておりました。一緒に教えてもらいながら組み立てる予定だったのに…
仕事が早いな~
やっていただいて申し訳ない
そんなに作れない…
ハウスを建てた場所以外にも畑として使っていた箇所が無数にあり、その土地は合計で20000坪とのこと。
満面の笑みで「畑全部つかっていいからな!」と言われたものの
それは無理だ…
東京ドームよりも広いその敷地に驚愕でした。同時にそんなにできないから、大人しくハウスとその外で細々と作ろうと決めたのでした。
本当の農家になってしまうな
敷地内の山菜
敷地内には湧き水もあり、キノコや葉ワサビ、タラの芽、ウドなど山菜が無数に出てきます
Aさん「タラの芽はまとまって斜面に生えてくるから、たくさん食べなさいね」
そう教えてもらってありがたく頂戴することに。
5月になって斜面を探してみると
ありました、ありました!たくさんおがってる!(育っている)
山菜の王様と言われるタラの芽がいたるところに群生していました。
その日食べる分だけ採って食べるの繰り返し。
ちなみに北海道の人は「タラんぼ」と呼んでました。
この年だけで一生分のタラの芽を食べた気がします。
うまうまで幸せでした
天ぷらで食べるとサイコーに美味しいですね!!
ビールに相性抜群ね♪
作った野菜たち
ハウスの中ではマルチを張ってズッキーニやダイコン、ナス、ミニトマトなどを植えました。
植えた時期は雪もようやく融けてきた5月。外は寒いにも関わらず、ハウスの中はほんのり暖かい不思議な空間でした。逆に夏になるとハウスの中が灼熱の地獄となります(泣)
7月にもなるとズッキーニたちが大きくなって食べごろになりました。
うちみたいな2人家庭では食べるのが追い付かず、友人や職場の人いろんな人たちにいただいてもらいました。周りの人から「美味しかったよ」と言ってもらえるのがとても嬉しかったのです。
7月の時期はハウスの中は暑く、作業するだけで汗だく。1時間近くの作業で体重が1キロ落ちる過酷な環境でした。ここで働く農家さんに敬意を感じたとともに感謝の思いが強くなりました。
ダイエットにはちょうど良いかもしれない
おかげでこの年はいくら食べても太らない(むしろ痩せていく)不思議な夏となりました。
暑い中の作業は辛かったけど、実がなった野菜たちを見ると疲れが吹っ飛びました。
こんなに綺麗に実をつけてくれてありがとう!
こんなヘンテコなダイコンも採れました。形が愛らしく、味はとても美味しい!煮物や大根おろしにして美味しくいただきました。
そしてダイコンの葉っぱは、油炒めで鰹節で和えるとふりかけのようになってご飯と合うんです!
農家さんからの教え
ハウスの中で作るのは初めてなので、近所や近くの農家さんからいろいろ教わりました。
水をあげる頻度や空気の通り方、肥料のあげ方、農薬を使わない虫の避け方、温度調整など。
その中でも
おてんとさんは毎年気分を変える。1年だって同じ年はない。おれらはいつも1年生のつもりでやってかにゃなんね。
そう言われたのが心に残りました。何事もこういう心構えで取り組んでいきたいものです。
現地人との人脈の作り方
今回運よく畑を借りられたのも、人との繋がりのおかげです。その人と人の繋がりをどう作っていくのかを見ていきます。
自分からどんどん声をかける
まず積極的に声をかけることです。人が外に出ていたら、歩いていたら「こんにちは!」とあいさつをしましょう。簡単なことですが、とても大事なことです。
田舎は知らない人がいるだけで不思議に思う方もいるので、自分から声をかけることで「あんたどこから来た?」「初めて見る顔だな」と会話が広がります。
そして声をかけた後は「〇〇に住んでいるどんぐりと言います」、「□□に勤めているどんぐりと言います」など自分の素性を明かしていくと警戒心も少し融けてグッドです。
実際に「町内の□□に勤めているどんぐりと申します。近くに住む場所を探していまして、空いている家ご存じないですか?」から会話が始まって、空いている家の息子さんを紹介してもらったこともあります。(売却希望だったので借りるまで至らず)
都会と違ってここではお構いなしにどんどん個人情報聞かれます。なので自分から話をするくらいで丁度良いのです。慣れたら飛び込み営業のようにピンポーン、「こんにちはー!」でいけるようになります。
慣れって不思議!
地域の有力者(顔が広い人)と仲良くなる
多少運も必要なのですが、田舎には必ず顔が広い(それも異常に)おばちゃん、おじちゃんがいます!これはどこにでも絶対います。なのでそういう方と繋がれると強いです。
そしてその運を手繰り寄せるのは、上に書いた「自分から声をかける行動力」です。どんどん自分から行動していきましょう。
どんぐりの場合はたまたまうちの病院に通っていたおばあちゃんがその方でした。
仲良くなったらガンガン情報が入ってくるようになり、「空き家あったよ、夕方来れるかい?」、「あそこは空いていて、息子さんは札幌にいるよ」なんて教えてくれるようになります。
仕事中も電話かかってきました。でも嬉しい
町内で初めて会った方でも、「もしかして、おうちを探しているどんぐりさんってあなたのこと?」なんて言われることもあったくらいです。
田舎の情報網はネットより早いよ
地域のイベントや個人店に行って仲良くなる
小さな雑貨屋さんやご飯屋さんはあまり混んでいないことも多く、オーナーさんとゆっくり会話できるので交流を深める大チャンス!
何度か通っているうちに自然と仲良くなれちゃいます。顔を覚えてくれて、自然と会話が生まれますよ。こちらのことや畑を探してることをちらっと伝えておくと「知り合いに聞いてみるね」なんて話が進んだりもします。
最近は少ないかもですが、地域のイベントに参加するもの◎ですね。私たちは地域おこし協力隊の方主催のイベントに参加して知り合いが増えました。何度かそういったイベントに顔を出していると、毎回参加者も似ているので、声をかけてもらえることも増えますよ。
イベントは20~30代の方が多かったよ
お祭りでは年配の方多かったかな
役場や市役所、森林組合に行ってみる
今回どんぐりが行った手段です。まずは行って聞いてみるのもいいです。そうやって聞きに来る人は珍しいため、覚えてもらえます。
するとどこかで「畑探してた人がいたな」とか「野菜作りたいって人が来てたな」と話題に出た時に紹介してもらえたりします。
行ってみた感じでは森林組合が一番力になってくれました。山(原野)を探しに行ったはずが、畑を探してくれて「あそこは空いてたよな」なんて職員同士で話し合って教えてくれました。
実はこの時もう1軒紹介していただいたのですが、知っている方から借りたかったのでお断りしました。たくさん紹介していただいて大変ありがたかったです!
意外な穴場だった
まとめ
今日のまとめいきましょう!
- 自分から声かけて動いて畑を借りよう!
- 田舎での人脈作りはとても大切
- 役場や森林組合に相談してみよう!
自分から行動してみることで必ず道は開けます。積極的に自分の足で動いてみましょう!
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