【給料公開あり】作業療法士の年収は？給料安い？現役OTが教えます

こんな悩みにお答えします。

この記事は以下について書かれています。

〇書いている人

今回の悩み、実は私が作業療法士の専門学校に通う前にも考えていました。

社会人から専門学校に入学したので「現在の年収」や「今後の年収」についてシビアに考えていたのです。

そこで今回は現役OTが教えるOTの年収、男女・地域差、年収を上げる方法に焦点を当てて解説していきます。

結論から言うと

しかし年収を上げる方法はあります。

それでは詳細を見ていきましょう！

※今回のデータは「求人ボックス」及び国税庁の令和2年度「民間給与実態統計調査結果」に基づいて作成したものです。

作業療法士の年収

日本人の平均年収の中央値が399万円（令和4年）に対して正社員のデータを見ても-38万円と平均よりも低いデータが出ています。

ただ、業種別の年収の中央値を見ると「医療・福祉」業界は他の業界と比べると低く、365万円となっています。そのため業界内で言うと361万円は平均的な値となります。

地域による差

各地域	平均年収	時給（ア）	時給（派）
北海道・東北	322万円	1111円	1251円
関東地方	371万円	1378円	1577円
東海地方	350万円	1276円	1346円
甲信越・北陸	328万円	1222円	データ無し
関西地方	357万円	1411円	1502円
四国	340万円	1240円	データ無し
中国地方	326万円	1173円	データ無し
九州・沖縄	319万円	1049円	1251円

関東及び関西地方が高めに出ました。やはり都市部が高めの値が出ますね。地方でも特に北海道・東北や沖縄は低い値が出ています。

特に東京だけに着目すると平均年収「398万円」と最も高い値が出ていました。

実際に私も関東から北海道から移住した際には80万円近く年収が下がりました。それくらい地方部は給料が低いです。

男女の差

各年代男性の方が少し高くなっています。これは子育てなどで女性が一度職場を離れる方も多いため、勤続年数の関係で差が生まれると考えられます。

現場の管理職は女性の方も多いです。以前リハスタッフ200名のところにいましたが役職者は男性・女性同じくらいの比率でした。

他の業種に比べるとOTでの男女差はとても少なくなっています。

上記の男性の中央値489万円を超えるのはOTでは難しいですが、女性の中央値269万円を超えるのは正規雇用であれば容易に達成が可能です。

産休や育休も非常に取りやすいため、子育てがしやすい環境が整っているところが多いです。

理学・言語療法士との違い

理学療法士（以下PT)、言語療法士（以下ST)との違いはありません。

どの病院・施設もPT・OT・STも同じ条件で求人要項が出ているはずです。

大卒か専門卒かで初任給に差がある（5000円程度）ところはありますが、職種で給与に差があるところはないです。

勤め先で差は？

基本的に病院の方が施設よりも年収は高くなります。しかし業務量も増えるため体の負担や残業も増えます。施設の老健や特養はどちらも同じくらいです。

病院（特に回復期病棟）では患者様の車いすへの移乗や立ち上がりの訓練などが頻回にあり、身体や腰に負担を抱えるスタッフも少なくありません。

またスタッフが若い層が多く20代～30代中心で、40代以上のスタッフは少なくなります。

とはいえ回復期病棟が始まったのが2000年4月なので歴史がまだ浅いです。そのため今の若い世代がそのままシフトして今後は40代以上のスタッフの増えることが見込まれます。

年収を上げるには

大きく分けて3つです。順に見ていきましょう。

大手法人に勤務

他の業界と同じく大きな法人に長く勤めるのが1番の近道です。

実際に私がいた大きな法人では年収500万円程でした。

ここは経験年数が一定を超えると3万円の手当が出ること、残業代（月30時間程度）で額面で36万円、手取り28万円でした。当時勤めて3年で役職には就いていませんでした。

さらに副主任（3万円）、主任7万円、課長（14万円）の手当があったので役職者はさらに収入が増えます。

訪問リハビリの事業所に勤める

ある程度経験を積んだら「訪問リハビリ」も考えると良いです。患者さんの家で行う訪問リハビリは単価も高いため、給料も高め。平均年収は406万円とOTの平均361万円より45万円も高いのです。

〇〇訪問看護ステーションという訪問リハビリや訪問看護の事業所が多数あるので、チェックしてみて下さい。

何でも1人でやる以上、責任は伴いますが土日祝日休みのところが多く自分の時間も取りやすいです。リハビリの内容は自宅生活に直結するのでやりがいのある仕事ですよ。

勉強会を主催できるレベルになる

多数の勉強会や学会での症例発表を行い、技術や知名度を高めると外部で勉強会を主催する人も出てきます。

道のりは険しいですが、そのレベルまで達すると勤務先の給料＋αになるため高年収を得ることが出来ます。1000万円以上稼ぐ方ももちろんいらっしゃいます。

現在はオンラインで勉強会を主催する人や、独立しクリニックを開業する人も増えています。

※独立して開業では「作業療法士」という名称は使用できません。「〇〇整体院」や「〇〇セラピー」などの名前で独立している方が多いです。

転職のしやすさ

転職は求人が出ていればとてもしやすいです。

大きな病院ではリハスタッフを常に募集していることも多く、大手の法人に割と簡単に入れるのは他業界と違うところです。

まれに作文や時事問題を課すところもありますが、選考も面接1回で内定のところがほとんどです。面接して1週間くらいで合格の連絡来る場合がほとんどです。

高齢者も増えているため、病院に限らず施設でも求人は多いです。

全体平均よりも年収は低めな分、転職しやすいのはとても良いことだと言えます。

注意点

注意しなければならないのは、大手法人が「必ず給料が良い」とは限らないことです。

中には仕事内容もハードで残業や終業後の勉強会も多く、給料は安いところも存在します。転職サイトなどで給料や年収のモデルを見てみるのが一番良いです。

もしくは転職エージェントを利用すると、代理人が給与交渉や年収のモデルなど聞きにくいことを相手に質問してくれるので、大変便利になっております。

OTの年収に関するQ&A

後輩や学生さんなどから良く聞かれたことをお答えしていきます！

１０００万円以上は可能？

結論として可能です。しかし病院や施設に属すると課長や部長レベルで700万円程度で頭打ちとなります。

そこで上述した勉強会を主催したり、独立して開業することで可能となります。勉強会の主催や講演会は勤務先に所属しながらだと時間や頻度も限られますが、独立すると可能性は無限大です。（リスクもありますが…）

知り合いでも独立して勉強会で日本中を飛び回っている元作業療法士の方もいるくらいです。

給料が安いと言われるのはなぜ？

地方の施設などは給与も月18万円程度、年収で300万円くらいの求人が多いことが原因です。

私も北海道へ移住してから月20万円いかないくらいの求人を多数見かけるようになりました。関東圏など都市部では少ないと思われます。

年収300万円程だと他の業種の方が稼げることが多いので、比較して「給料が安い」と言われる一因になっています。

どんぐりさんの年収は？

これもけっこう聞かれる質問なので挙げました。関東にいた頃と北海道に来てからを比較します。

初任給も25万円の病院なので元々高めでした。基本給が安く、ボーナスは４ヶ月分で64万円程です。

年収420万円は北海道ではけっこう高いところへ就職できました。毎月はそれなりの給与ですが、ボーナスが5ヶ月分、105万円出るのと暖房手当10万円が効いています。

それでも移住したことで約80万円も年収は下がってしまいました…

まとめ

他の業種と比べると給料は安めですが、転職はとてもしやすいです。男女間であまり差がないのもメリットの１つ。

高収入を稼ぐためには長い時間をかけて勉強会などで鍛錬し、技術・知識そして学会での発表をして経験を積む必要があります。

独立・開業し勉強会の主催や講演会など精力的に活動している方も多数おります。

非常に奥が深い仕事かつ患者様との交流も楽しいので、なんだかんだオススメの仕事でもあります。